父の背中を追いかけて
父のように人に喜んでもらいたくて一生懸命にがんばってきた東京生活でしたが
現実は、甘くはなかったんです。
ちょうどそんな風に私がお客様にも相手にされず腐っていた頃でした。
当時20歳くらいの若い女の子が、皮膚の相談に訪れました。
子供のころからの慢性湿疹が治らずに、困っているという事でした。
その女の子は最初自分が話を聞いたので、自分の担当のような感じになりました。
屈託なく、いつも明るく「先生、先生」と言って私を頼ってくれ、
私も、その女の子の皮膚が一日でも早く治るようにと一生懸命に漢方を処方しました。
足掛け2年間も私の元に訪ねてくれて、
でも結果、漢方で治してあげることはできませんでした。
とても、とても無力感を感じました
「漢方さえ一生懸命に勉強すれば医者が治せないような病気でも全部治せるんじゃなかったのかよぉ~」
「結局奥が深すぎて、俺には漢方を使いこなすなんて無理なのかなぁ~・・・」
「勉強が足りんから彼女の皮膚が治せなかったのだとしたら、いったいどれだけ勉強したら皮膚が治せるようになるっていうんだぁ~」
とか毎日、毎日悶々していました。