じいちゃんは、大のお酒好きだったみたいで、1年365日、雪が降ろうが槍が降ろうが酒は、1日も欠かした事がなかったとばあちゃんがよく言ってました。

九谷焼のお気に入りの徳利に2合。専用の燗をつけるマシーンまで買い込んで毎晩晩酌してたみたいです。

そんなじいちゃんは、ジュルンジュルンの柔らかい柿も大好物だったそうで・・・

さて、ここでちょっと薬剤師らしいお話を。

実は、日本酒・・しかも熱燗というのは、「胃」に熱を持たせるんです。

酒飲みが柿を好むというのは、実は、この胃の熱を冷ますと胃がすっとして気持ちいいからなんですね。

でも、ちょっと待ってください!酒飲まない人はどうなの?ってことなんですよ。

実は、柿は、強力に胃を冷やしてしまうので、胃に余分な熱のない方が沢山たべると、それこそ冷え切って、胃や腸の働きが悪くなってしまうんですね。

先日も夜閉店後に電話があり、とにかく胃の調子がよくないので、おクスリをもらいにいきたいとの事でした。

10分ほど、入り口だけ開けて待っていると、本人さんが車でおみえになりました。

Mさん:「先生、お腹の辺りがキリキリして、すんごい具合が悪いんだけど・・・救急に行こうかなとも思ったんだけど、まずはまるはちさんに行ってみようと思って」

私:「そうですか・・それはお気の毒に。何か障るようなもの食べましたか?」

Mさん:「そういえば、ちょっと昨日は食べ過ぎたかもしれないけど、今日はこれと言って生のものも食べてないし・・」

私:「痛み以外にはどんな症状があるんですか?」

Mさん:「足が冷えて、寒気がするんで、ノロとかかな~とも思ったんだけど、吐き気や下痢はないのよねぇ~」

私:「ん~・・そうですか?ひょっとして柿ってお好きですか?」

Mさん:「そうなのよ。庭に柿木があるもんで、このところずっと毎日柿は食べてるの」

私:ピキーン!!!!(閃いた音)

閃いた漢方薬をあつ~いお湯に溶かして、その場でMさんにお飲みいただく

すると数分して

Mさん:「あら~、身体がポカポカしてきた・・さっきまであんなにキリキリ痛んでいたのが、嘘みたいに消えちゃったわ。なに?!すごい!!」

まぁ~要は柿で胃が冷えすぎてしまって胃痙攣みたいな状態を起こしていたので、胃をぐ~んと温める漢方で一発でよくなってしまったという事なんです。

テレビやマスコミでは、一部の情報しか出てきません。あまり鵜呑みにしないことも、とても大切ですね。