おはようございます。
開店前に準備をしていたら、電話がかかってきました。
営業時間外ですが、何かお客様からの緊急の要件では・・・と思って電話をとりました。
電話の向こう側は、今にも死んでしまいそうな声の女性でした。
「あっ・・先生ですか? いつもお世話になっているSです。今日ちょっとご相談に伺いたいんですが・・・」
あまりにも声の元気がないので
「いったいどうされたんですか?いつものお声じゃなかったので、最初どなたかわからなかったです」
と返事をし、とりあえず現状何があったのかお話をうかがうことにしました。
「 それで慌てて近所の脳のCTも撮ってくれる医者に行って診てもらったら異常はないって 言われて、一応安心したのは、したんだけど。その後もなんだかだるいし、疲れるし、何にもやる気が起きないし、食欲もないし、血圧は今日は140位まで下がってはきているんだけど・・・」
「どうしちゃったのかなぁ~って思って、そんでまるはちさんを思い出して・・」
私:「Sさん。このところ色々とお忙しくなかったですか?何かご無理はされていませんでしたか?」
Sさん:「はい。色々な事が重なっちゃって、疲れが抜けなくなってきて・・そうしたら、食欲も落ちてきちゃって・・挙句の果てに血圧までびっくりするぐらい上がっちゃって」
私:「Sさん。今服用しているもの教えてください」
Sさん:「めまいの薬と頭が痛かったら飲みなさいってロキソニンっていうの処方してもらったんですけど、めまいの薬を1回だけ飲んだら、胃が気持ち悪くなってそれから後は飲んでません。」「
「それとロキソニンは以前風邪をひいた時に病院で処方してもらって飲んだら、それから1週間くらい食事ができなくなっちゃって・・懲りてるもんだから今回は出されたけど飲んでません」
私:「んで、うちで買って飲んでもらっているのは、なんでしたっけ?えっと確かホエキンと瞳光源はよく買ってくださってましたよね」
Sさん:「今はレバコールとカルシウムと瞳光源だけにしてます」
私:「えっ?ホエキン飲んでないんですか?」
Sさん:「はい。だって、以前はそんなこと、本当になかったんだけど、ホエキンをしっかり飲んでいたらご飯の時間が待ちきれないくらいにお腹が空くようになって、量もしっかりと食べられるようになったものだから、もう良くなったと思ってここのところしばらく飲むのを止めていたんです」
私:「Sさん・・・わかりました。原因はそれですよ。( ^ω^ )」
Sさんは、推定60代中盤・・小柄で線が細く、元々食が細く、疲れやすい
典型的な「脾虚タイプ」・・・訴えの多い症状としては
胃腸が弱く少食、疲れやすい、立ちくらみ、朝がとても苦手、手足がだるい、風邪をひきやすい、下痢しやすい、疲れると痔がでやすい、ちょっと動いても汗がでる、息切れしやすい・・等々
このタイプの人は、全体に気の力(エネルギー)が不足しています。人の元気というのは、先天的なものも、もちろんありますが、呼吸と、食事により、自然からエネルギーを取り入れて、自分の中で適切な形にして全身にエネルギーを送り出します。
その大切な作業をしてくれるのが、胃腸(脾胃)と肺です。この二つの臓が弱っていると、全身にエネルギーをまわせず、このような症状がでてきます。
ということなんです。Sさんには、脾虚体質を補う「ホエキン」という漢方を処方していました。元々のタイプがエネルギー不足になりやすいので、漢方に補佐してもらわないと中々大変なんです。それが、Sさんは、調子がいいからと病院のお薬のようにピタッと止めてしまっていたんです。
漢方薬はタイプがきちんと合っていれば服用しているほうが快適に過ごせるんですよ。
ここに書くとすんごい長くなっちゃうので書きませんけど、私も20代からずっと漢方は飲んでいます。おかげさまで元気です。\(^o^)/
【今日の一言】
体質に合う漢方は、栄養剤の様な感覚で服用しても全く問題ありません。
ただし飲んでも効かない・・または、飲んでいると調子がおかしい・・・そんな漢方は貴方に合っていない可能性が高いので今すぐに見直しを。