【 ある日のお客様からの質問 】
「先生、あのね、友達でリュウマチの人がいてね・・その人がね・・使っているお薬の副作用で骨が弱くなっちゃって、そんで歯医者に行ったら、カルシウムを3ヶ月くらい止めろといわれたんだって・・・・」
「だから私も今歯医者に行っているんだけど、カルシウム止めたほうがいいかしら?」
「特に今度歯を抜くんだけど、やっぱり少しでも飲んでいると良くないよね?」
・・・って矢継ぎ早に質問をされたのですが
意味わかります?この質問の・・
まぁ~たぶん、お友達の話を聞いて、何となく歯の治療中はカルシウム剤を飲んではいけない!と理解されたのだと思います。
でも、ちょっと待ってください・・
歯って元々何からできているんでしたっけ?
歯の治療は、さておき、歯を健康に保つためにカルシウムって、どう考えても必要ですよね。
カルシウムを取ってはいけないのだったら、牛乳や小魚などを食べたり飲んだりも控えるように歯科医側から指示があってしかるべきですよね・・
まぁ~どう考えても、歯の治療中にカルシウムをとってはいけないという理論が成りたたないわけです。
はい・・・そこでです。このお客さんいったい何をどう聞いてこの結論に至ってしまったのかという話ですね。
実は骨粗鬆症の治療のために使用するお薬で、ビスフォスフォネート系(bisphosphonate)の薬剤というものが存在します。
略してBP剤などともいいますが(この後略称を使用します)
ナショナルブランドから発売されている商品(ジェネリックではないという事ですね)の代表的なものは下記の様な薬です。
フォサマック
ボナロン
ダイドロネル
リカルボン
アクトネル
ベネット
これ等以外にも注射剤も使われますので、注射剤の場合は患者さんはこういったBP剤を身体に入れているという印象があまり無いかもしれませんね。
はい。んで、話を元に戻しますが
このBP剤を飲んでいる状態で抜歯などをすると、そのまま顎骨が壊死を起こす例があるんですね。
確立はかなり低いみたいなんですが、なるとかなり厄介で顎の骨をかなり削らないといけない羽目に陥るようです。
んで、BP剤を飲んでいる人は役3ヶ月間の間このBP剤の服用を止めて、それから歯を抜かないといけないよ!!
という話を聞いたのだと思います。
なかなか専門的な知識が必要だと思いますし、数段階の理解が必要だと思います。
しかし・・・ここからどうして、歯の治療中はカルシウム飲んではいけない・・・・に発展するのか意味不明です。
まぁ~むかしから伝言ゲームってありましたけど、耳から得た知識と言うのは自分が覚えやすいように頭の中で再構築されていくようです。
悩んだら・・迷ったら・・お電話でもいいのでお尋ねくださいね。
【今日の一言】
BP系製剤の添付文書には、このお薬を服用していると外耳道骨壊死ってのも書いてある~。耳の骨が壊死して腐ったら耳聞こえなくなるぅ~。やっぱ薬は恐いね。治療は養生と栄養素ですね。