【生き方が身体を作る】

5年ほど前に健康相談におみえになったTさん。

そのご親戚のSさんから、お電話がありました。

なんでもTさんの状態がこのところすこぶる悪いようで、とても心配でどうしたものか・・・という内容のお電話でした。

5年前にご相談におみえになった時の事を、私もよく記憶していました。

とても印象的な内容だったからです。

Tさんの主訴は便秘でした。

あれこれと試しているけど、便秘が改善せず・・そのご相談におみえになったのですが、色々とお話をうかがって私の得た結論がTさんの便秘の原因は「慢性的な強いストレス」だったのです。

Tさんのストレスの原因は家庭の中にありました。それと、彼女のもともとの性格・・・というか物事の考え方。

僕は便秘の相談であるにも関わらず、根本的には家を離れる時間を増やして、少しでも自分の時間をもつことですよ・・・とアドバイスさせてもらいつつストレス対策にソイフラボンをおすすめしました。

それと、やはりとても神経質な方だったので、早く結果がでないとソワソワしてしまうかなと思い、イサゴールとワンポラックおんという商品もご紹介しました。

しかし、その後Tさんが購入してくださるのはイサゴールとワンポラックおんのみ・・・そのうちお店におみえにならなくなってしまいました。

それから数年がたち・・昨日の電話となったわけです。

Tさんは、生活を変えることもせず、精神科のお薬に依存するようになっていたようです。

特にマイナートランキライザーと呼ばれる安定剤は脳の感受性を落としつつ、腸管の蠕動を弱めてしまいます。

つまり余計に便秘が酷くなるわけです。

また、精神神経症状が強くなった場合はもっと強い精神神経薬が投薬されることもあるのですが、それに関してはもっと便秘の状態がひどくなります。・・・副作用で腸が動かなくなってしまうこともあるのです。

生活習慣病という言葉がありますが、すべての病気はその方の生活にほとんどの原因が隠れています。

働きすぎ、暴飲暴食、偏食、ストレス、運動不足、マイナス思考、誤った健康法の励行、家庭環境、職場環境、親子問題、兄弟問題、嫁姑問題・・・数え上げればキリがありません。

薬局にご相談に見えたときに、どこまでお話を深堀できるかによって、アドバイスの内容も当然変わってきますが、基本的には病気は自分で作り出しているといっても過言ではないでしょう。

このTさんの場合は恐れと強い思い込みがあり、ご自分の生活環境を変化させられない部分が病気の原因になってしまっていたのですね。

あっ!ひとつ言い忘れました。強いストレスは交感神経過剰モードになり、腸管の蠕動を悪くさせてしまい、便の排出力が著しく低下します。

最初のうちは、食物繊維や軽めの便秘薬で対処できますが、どを超えてしまうとこれだけでは対処できません。

根本的には精神的なリラックスを生み出さないとよい便通は得られなくなってしまうのです。

【今日の一言】

この方にはある精神科を受診することをおすすめしました。ここの先生は他で沢山もらっている薬を減薬してくれる、心ある先生です。Tさんの場合は沢山飲んでいる精神薬を徐々に減らさないときっと体調が元に戻らなくなってしまうと考えるからです。