よって、私がお出ししたのは「ソイフラボン」のみ
ソイフラボンは自律神経のバランスを整え、ストレスを軽減してくれる大豆の胚芽を醗酵させることによって得られた医療用サプリメントです。
これを3錠ずつ朝晩服用するように伝えました。
そんな折、めずらしくお母様とご本人とがお二人でご来店されました。
なかなか収まらない胃腸の不快感と下痢症状にとても困っているという相談でしたが、Sさんの場合は自律神経のバランス異常から起きていることを前回の健康チェックで把握していたものですから、私の頭にはあまりいい手立てはみつかりませんでした。
しかし、その時会話の中でSさんが、8ヶ月の超未熟児状態で産まれていたことを初めてお母様の口から知りました。
小さい頃はとても虚弱体質で病気ばかり繰り返していたこと
1ヵ月以上保育器から出られなかったこと
お母様のおっぱいが出なかったので、人工調乳しか飲んでいないこと
こんな赤ん坊や、本当に幼い頃の事が今の体調に影響するのかと思われるかもしれませんが、実は早産で産まれると相当なハンデを抱えた状態になってしまうのです。
東洋医学の世界では、「腎」と呼ばれる場所に生命エネルギーを蓄えていると考えるのですが、早産で生まれた方は、この腎のエネルギーが生まれつき不足していると考えるのです。
「腎」の機能が安定していないと「不安」「恐怖」「驚き」などの感情を強く持つようになってしまいます。
Sさんの症状がなかなかすっきりしない理由が出生の状態に影響されていたことがわかり、私の中では非常に納得しました。
Sさんには、生まれながらに足りていない腎の氣を増やすための漢方をご紹介させてもらいました。
きっとソイフラボンと腎の氣を増やす漢方を併用して、くちびるを鍛えるトレーニングを繰り返せば彼女は見違えるように元気になることでしょう。
【病気を診る時は、発症時まで遡って考えなければならない。今出ている病状と、それは、繋がっているからだ。すべては過去から未来に続く1本の線上に存在する。どれもおろそかにしてはいけない】